増加率一定
個体の増加速度が個体数に比例する場合、以下のような方程式になる。
(1) ![]()
この解は以下のような指数関数となり、ある程度以上から先は急激に個体が増加し、無限に増えていく。
(2) ![]()
ロジスティック関数~増加に対する歯止め
増加率を一定ではなく個体数Nに応じた値となるよう、以下の関数とする。
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個体数が増えるにしたがって増加率は減少し、個体数がKのときに増加率はゼロ、それよりも多いときには個体数は減少する。

この増加率を適用した微分方程式は以下の通り。
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まず以下のように変形。
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変数分離形。
(6) ![]()
分数部分を以下のように変形。
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積分した一般解は以下の通り。
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指数関数の形に。
(9) ![]()
Nをまとめる。
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Nについて解いた一般解を得る。
(11) ![]()
これにt=0のときの初期値N0を適用して、以下の解を得る。
(12) 
t=0のときは初期値N0、t→∞のときはN=Kに収束する。
(13) 
N0=2, r=10, K=1000のグラフを描くと以下の通り。

また先の解を微分して増加速度の式を求めると以下の様になる。
パラメーターの影響
初期値N0
- 初期値がKより小さいときはよく見られるロジスティック曲線でKに漸近する
- Kと等しいときは変化しない
- Kより大きいときは指数関数的にKに漸近する

増加率r
増加率が大きいほど立ち上がりが急になり、小さいほど緩やかになる。

収束値K
収束値Kに向かって漸近する。

増加速度
Nをtで微分して増加速度の式を得る。
(14) 
増加速度のグラフは以下の様になり、極大値を一つ持つ。

増加速度が最大となるtの値は、K/N0 – 1 = Cとおいて以下の様に得られる。
(15) ![]()
これは以下の様にしても導ける。式(4)の値がゼロとなるのはN=K/2のときなので、これを式(12)に代入して、
(16) ![]()
これを解いて(15)と同じ解を得る。