Django – settings.py

Djangoの設定ディレクトリー下に生成されるsettings.pyの内容を整理する。個別に設定想定していなければ、ここでは以下の構成を仮定している。

 

INSTALLED_APPS

TEMPLATES

DATABASES

国際化

 

Django – settings.py – 国際化

概要

settings.pyLANGUAGECODE変数で言語コードを、TIME_ZONE変数でタイムゾーンを指定する。

Django – settings.pyへ。

初期状態

settings.py生成直後の国際化関係の内容は以下のとおり。

日本語の場合の設定

言語コード

日本語に設定。

タイムゾーン

タイムゾーンを指定、有効化(初期状態のTrueのまま)。

Djangoは全ての日付=datetimeオブジェクトをUTCでデータベースに保存する。タイムゾーンの表現を任意に変更可能。

 

Django – settings.py – DATABASES

概要

Djangoでのデータベース設定は、settings.pyDATABASES辞書で設定する。

Django – settings.pyへ。

初期状態

settings.py生成直後のDATABASESの内容は以下のとおり。デフォルトでSQLiteが指定されている。

MySQLの場合の設定

MySQLを使う場合は以下のように記述。

ただし事前にmysqlクライアントのインストールが必要。

 

Django – ルーティング – urls.py

概要

リクエストされたURLから、Django内部で必要なview関数を呼ぶためのルーティングは、urls.pyで設定する。

  • urls.pyはプロジェクト設定ディレクトリーの下か、各アプリケーションディレクトリーの下
  • アプリケーションディレクトリー下のurls.pyは新規に作成し、設定ディレクトリーのurls.pyincludeする
  • ルーティングはurls.pyurlpatterns配列にpath関数で登録する
  • path関数の引数に、URLパターンとビュー関数を与える

ルーティングの流れについてはこちらも参照

設定ディレクトリー下のurls.py

プロジェクト構成

djangobasicsプロジェクトを作成。設定ディレクトリーをconfとし、アプリケーションurlincludeを作成・登録した場合のツリーは以下の通り。

ビューとテンプレート

urlinclude/views.pyを以下のように編集する。

urlinclude/templates/urlincludeディレクトリーを作成し、その下にindex.htmlを以下の内容で作成。

pathの登録

設定ディレクトリーconfの下のurls.pyに以下のように追記。以下、このurls.pyを「グローバルなurls.py」と呼ぶ。

まずアプリケーションのviewsモジュールをインポートしている。

そしてホスト名/アプリケーション名でindexビュー関数が呼ばれるようルーティング。

ここでhttp://localhost:8000/urlincludeでブラウザーからアクセスすると、index.htmlの内容が表示される。

アプリケーション下のurls.py

グローバルなurls.pyの問題点

設定ファイル直下のurls.pyでのpath登録は、

  • デフォルトで作成されたurls.pyを編集すればよい
  • 任意のアプリケーションのルーティング登録ができる

ただし以下のような問題点がある。

  • 登録するビューのアプリケーションをインポートする必要がある
  • 全てのビューを登録するため見通しが悪くなる
  • アプリケーション間でビューの名前の衝突が起こり得る

このため一般にはアプリケーションごとにurls.pyを作成し、そのモジュールを設定ディレクトリー下のグローバルなurls.pyincludeする。

ビューとテンプレート

ビューとテンプレートは先の例と同じものを使う。

アプリケーションのurls.pyの準備

アプリケーションディレクトリー下に、以下の内容でurls.pyファイルを作成する。conf/urls.pyのように自動作成されないので、新たに作成する必要がある。

ツリーは以下の通り。

グローバルなurls.pyの編集

conf/urls.pyを以下のように編集する。

  • django.urlsパッケージのpathモジュールに加えて、includeモジュールもインポートする
  • urlpatterns配列にpath関数を追加し、アプリケーションのurls.pyincludeする

ここでhttp://localhost:8000/urlinclude/indexにアクセスすると、index.htmlがブラウザーに表示される。

アプリケーションの登録

新たにアプリケーションを作成した場合には、プロジェクト共通ディレクトリーのsettings.pyINSTALLED_APPSに作成したアプリケーションを登録しておく必要がある。

留意点

グローバルなurls.pyでは、個々のアプリケーションのviewsモジュールをインポートする必要はない。

include関数の第1引数はアプリケーション名を使ったディレクトリーで、その後にアプリケーション内で定義したパスが続く。

  • 今回の例では'urlinclude/' + 'index''urlinclude/index'
  • 末尾に'/'がないとエラーになる

include関数の引数は、'アプリケーション.urls'の文字列。

  • 文字列にしていないと”名前が見つからない”、とエラーになる

直接テンプレートを表示する

path関数で直接テンプレートを表示させることもできるが、少し手間が必要。

  • urls.pyTemplateVierwクラスをインポート
  • path関数の第2引数にTemplateView.as_view()メソッドを与えてテンプレートを指定

たとえば以下は、index.htmlと同じディレクトリーにexample.htmlを作成し、これを直接path関数から呼び出す例。

 

Django – Troubleshooting

テンプレートがない

症状

ブラウザーで以下のエラー表示

TemplateDoesNotExist at /

原因

テンプレートはアプリケーション下なので探索範囲にある、アプリケーションのrender関数でもテンプレートのパスは間違っていない・・・。ほとんどの場合、settings.pyへのアプリケーションの登録漏れ。

 

名前が定義されていない

サーバーコンソールに以下のエラー表示

name *** is not defined

原因

引数のパスなどが文字列になっていないとこのエラーが出る。

 

Django – DTL – include

テンプレートの継承では、個別ページが共有するテンプレートを継承元の親テンプレートとした。一方、HTMLの一部を部品化して任意のページに埋め込むにはincludeタグを使う。

たとえば検索フォームを作成して、これを複数のページで使い回したいとする。例として以下のようなダミーのHTMLを準備する。

テンプレートの継承で使った以下のテンプレートを考える。includeタグで挿入するHTMLのパスを指定している。パスの指定の仕方は他のタグと同じ相対パス。

このページを呼び出すと、以下のようにincludeタグの部分に検索フォームのHTMLが埋め込まれる。

表示は以下の通りで、検索フォームの部分が表示されている。

ユーザー用メニュー

  • ユーザーホーム
  • ログアウト

ユーザーホームページ

ログイン済みユーザー用の内容

検索用のフォーム

 

Django – DTL – 継承

概要

個別ページで共通するHTMLの枠組みがある場合、それらを親テンプレートとして一つにまとめて、個別ページは親テンプレートを継承するようにできる。たとえばHTML全体の枠組みやサイトに共通するデザインなどをまとめるケース。テンプレートの継承の要点は以下のとおり。

  • 継承元の親テンプレートを準備
    • blockタグ→子テンプレートで具体内容を埋め込むブロック
  • 継承先の子テンプレートを準備
    • extends→継承元の親テンプレートを指定
    • blockタグ→親テンプレートのblockタグの部分に埋め込む内容
  • blockタグには識別名を書き、親・子でブロックを対応させる

子テンプレートを呼び出したとき、親テンプレートのblockタグの部分に子テンプレートのblockタグの内容が埋め込まれたHTMLとなる。

なお継承ではないが、includeタグによって別に準備したHTMLの一部分を取り込むことができる。

基本形

まず、子テンプレートで単に親テンプレートをextendsで読み込むだけの例を確認する。

継承元の親テンプレート

子テンプレートが継承する元の親テンプレート(layout.html)を以下のように準備する。要点は以下のとおり。

  • HTMLの完全な枠組みを持たせている
  • title要素、header要素、body要素にblockタグのブロックを書いている
    • title要素のblockには'Placeholder'という文字列を書いている
    • header要素のblockにはp要素とリストを書いている
    • body要素のblockには何も書いていない

子テンプレート

子テンプレート(index.html)ではextendsタグによって親テンプレートを継承する。この場合のタグの引数は、view関数で呼ぶrender文の第2引数と同じで、テンプレートディレクトリーからの相対パス。

子テンプレートはこの1行だけなので、単にこのテンプレートの内容が親テンプレートの内容で埋められる。

ただし親テンプレートのblockタグに対する子テンプレートのblockがないので、以下のように解釈される。

  • 親のblockに内容が定義されていれば、その内容が展開される
  • 親のblockがタグだけで内容がなければ、何も引き継がれない。

子テンプレートが引き継いだ親テンプレートの内容が解釈された結果、最終的なindex.htmlは以下のようになる。

  • title要素には'Placeholder'の文字が充てられる
  • header要素には、親で記述されたp要素とリストが埋められる
  • 親の{% block content %}のブロックには内容がないので、子要素にも何も引き継がれない

この結果、ブラウザーの表示は以下のようになる(ブラウザーのタブには'Placeholder'の文字が表示される。

Default Header Menu

  • Login
  • Signup

標準形

次に、子テンプレートindex.htmlで親テンプレートの各blockの具体の内容を実装する。

この結果、親テンプレートのblock部分に子テンプレートの対応するblockの内容が埋め込まれる。親テンプレートのblockに書かれた内容がある場合は、子テンプレートの内容で置き換えられる。

HTMLソースを確認すると、子テンプレートの内容が反映されていることがわかる。

ブラウザーでの表示結果は以下のとおり(ブラウザーのタブには’タイトル'と表示される)。

メニュー

  • ログイン
  • サインアップ

サイト内容

  • サイト紹介
  • 内容一覧

 

継承のチェーン

これまでは親~子の継承だったが、さらに親~子~孫の継承を見てみる。

たとえばページの種類が、認証済みユーザー用と非認証のゲスト用の2通りに区分され、それぞれでメニューの内容を変えたいとする。このような場合は、以下のようにテンプレートを分けて継承させる。

  • 親:全てのページに共通するテンプレート
  • 子:認証用/非認証用それぞれに応じたテンプレート
  • 孫:個々のページ~ページ内容によって認証用/非認証用あり

認証済みユーザー用のページ

まず、認証済みユーザー用のメニューを共通化し、これをユーザーホーム(index)で継承する例。先の例ではindex.htmllayout.htmlを継承したが、ここでは以下のように構成を変更する。

  • 前:layout.htmlindex.html
  • 後:layout.htmlauthenticated.htmlindex.html

サイト共通の基本的な枠組みはlayout.htmlで記述し、ユーザー認証中のHTML部分はauthenticated.htmlで、認証中の具体のページ内容をindex.htmlで実装している。

親テンプレートlayout.htmlはそのままとし、新たにauthenticated.htmlを以下の内容で準備する。ここでは{% block header %}のみを実装し、認証済みユーザー用のヘッダーメニューを表示させる。

index.htmlauthenticated.htmlを継承し、孫テンプレートとなる。未実装の{% block title %}{% block content %}を実装して「ログイン済みユーザー用の内容」とだけ表示させている。

index.htmlを呼び出すと、index.htmlcontenttitleが、authenticated.htmlheaderが実装され、以下のように表示される。

ユーザー用メニュー

  • ユーザーホーム
  • ログアウト

ユーザーホームページ

ログイン済みユーザー用の内容

 

非認証時のページ

次に非認証時のページとして、以下のような構成を追加する。

  • layout.htmlunauthenticated.htmllogin.html

全体共通の基本的な枠組みlayout.htmlは同じで、非認証時のHTML部分をuauthenticated.htmlにまとめ、非認証時の具体ページの例としてlogin.htmlを追加。

unauthenticated.htmlauthenticated.htmlと同じように{% block header %}のみを実装し、ゲスト用のメニューを記述。

ログインページでは非認証時のunauthenticated.htmlを継承し、具体のタイトルと内容を記述。

表示結果は以下のようになる。

ゲスト用メニュー

  • ログイン
  • サインアップ

ログインページ

ユーザーログイン用の内容

重複記述の禁止

blockタグの識別子が同じ名前で複数存在することはできない。たとえばtitle要素とページのh1要素が同じ内容なので以下のように2度使いしようとするとエラーになる。

 

Django – DTL – if

基本形

文法

基本はPythonのif ... elif ... elseと同じで、終了タグ{% endif %}で終える。

テンプレートの実例は以下の通り。

Pythonとの違い

以下はPythonのif文との違いで、外すとTemplateSyntaxErrorになる。

  • 条件部に()は使えない
    • {% if (he == gentle or she == tender) and they == love_each_other %} はエラー
    • こういう場合はifのネストにする
  • 条件部に算術演算子は使えないがフィルターは使える
    • {% if d % 2 == 2 %}はエラー
    • {% if d|divisable:2 %}はok

その他

ifequal/ifnotequal

if a == b/if a != bと同じ。

ifchanged

割愛。

 

 

 

Django – DTL – フィルターとスペースとエラー

概要

DjangoのDTLにおけるフィルターの一般形式は以下のようになっている。

変数|フィルター:引数|フィルター:引数|・・・

フィルターは変数展開{{ .... }}でもタグ{% .... %}でも使えるが、それぞれで'|'':'の前後にスペースを入れた時の挙動が異なるので整理する。

結論すると、DTLでフィルターを使う場合は'|'':'の前後にはスペースを入れないと決めておくのが紛れがなくてよい。

変数展開の場合

'|'の前後のスペースは許されるが、':'の前後にスペースを入れるとTemplateSyntaxErrorになる。

{{ var|add:2 }} Ok
{{ var |add:2 }} Ok
{{ var| add:2 }} Ok
{{ var|add :2 }} Error
{{ var|add: 2 }} Error

タグの場合

'|'の前後も':'の前後もスペースを入れるとTemplateSyntaxErrorになる。

{% if var|divisibleby:2 %} Ok
{% if var |divisibleby:2 %} Error
{% if var| divisibleby:2 %} Error
{% if var|divisibleby :2 %} Error
{% if var|divisibleby: 2 %} Error

 

Django – DTL – テンプレート言語

概要

Djangoのテンプレート言語(DTL: Django Template Language)について整理する。

テンプレートの基礎についてはこちら

コメント

一行コメント{#...#}と複数行コメント{% comment %}...{% endcomment %}がある。

DTLのコメントの詳細についてはこちら

変数展開

変数の内容を展開するには{{ 変数 }}と記述する。

変数の内容は、数値・文字列のほか、コレクションの要素や一般のオブジェクトの属性やメソッドの結果も展開可能。

変数展開の詳細についてはこちら

タグ

DTLのタグは{% タグ %}と記述する。

主なタグには以下のようなものがある。

特殊機能

制御

URL指定