Brython

Brython利用の基本形

  1. Brythonのライブラリを読み込む
  2. brython()を実行させるよう指示する
  3. scriptタグでPythonを指定する
  4. script要素内にPythonのコードを記述する

Brythonのライブラリを読み込む

ライブラリはJavascriptファイル。head要素内でライブラリを指定して読み込ませるが、サーバ上にライブラリを配置しておく方法と、その都度Brythonのサイトから読み込む方法がある。

サーバ上にライブラリを置く場合

サーバ上にライブラリを置かない場合

brython()を実行させる

通常の事例では、body要素のonload属性で指示している。

scriptタグでPythonを指定する

コード例

Brythonのコード例。テクストボックスに名前を入力し、alertで表示。

ボタンのonclick属性でhello()関数を呼び出そうとするとundefinedエラーとなる。Brythonのサイトの事例ではdocオブジェクトのbindメソッドを用いており、これで動作した。

WordPressに移行してからスクリプトの使い方がわからないので、ここではコード例のみ。

console.log

Brythonでconsole.logを使うためには、browser.consoleパッケージを利用する。


 

Python3 – 処理時間の計測

time.time()関数は、呼び出した時点のエポックタイムを秒単位の浮動小数点型で返す。


 

Python3 – スレッド

基本形

threading.Threadクラスで実行する関数と引数を指定し、start()メソッドで開始させる。

同期

幾つかのスレッドの終了を待ってから後続のスレッドを実行させたい場合、join()メソッドで同期をとりたいスレッドの終了を待機する。

スレッドクラス

スレッドクラスを継承したカスタムクラスでの実装方法。

  • thread.Threadクラスを継承する
  • コンストラクタでThreadクラスのコンストラクタを呼び、必要なプロパティをセット
  • run()メソッドをオーバーライドし、処理内容を記述
  • カスタムクラスのインスタンスでstart()を実行

start()メソッドを実行すると、親のThreadクラスのstart()メソッドが呼び出され、そこでrun()メソッドが呼ばれ、カスタムクラスでオーバーライドしたrun()メソッドが実行される。run()メソッドを直接実行すると、シングルスレッドとして実行される。

スレッドの停止

スレッド停止の機能は、thread.Threadクラスを継承したカスタムクラスで実装する。

 

Python3 – 変数のスコープ

ブロックスコープはない

したがって、if文やfor文などの制御構文はスコープを持たない。制御文の外で定義された変数は制御文内で参照でき、制御文内での変更は変数に影響を与える。

関数のスコープ

関数内では変数はローカルスコープを持つ。

  • グローバル変数は関数内から直接には参照できないため、無定義で参照しようとするとエラーとなる
  • 関数内でグローバル変数と同じ名前の変数を定義すると、ローカル変数として扱われる
  • ローカル変数の変更は、同名のグローバル変数に影響を与えない

クラスのスコープ

クラスはローカルのスコープを持つが、クラス変数とインスタンス変数でもスコープが異なる。

global宣言

グローバル変数をglobal宣言することで、関数の中で参照・変更が可能となる。

 

Python3 – クラス

クラスの定義

標準形

  • クラス定義は、class [クラス名]:で始める
  • コンストラクタ名は__init__で決まっている(前後にアンダースコア2つ)
  • クラス変数(プロパティ)はコンストラクタで定義して明示

関数定義と同じく、クラスからオブジェクトを生成するときは、クラスを定義した後でなければならない。

プロパティ

クラス変数(クラス・プロパティ)

クラス定義の直下で定義された変数はクラス変数となり、全てのインスタンスを通じて同じ値が参照される。一般的には[クラス名].[クラス変数名]で用いる。

インスタンス変数(インスタンス・プロパティ)

インスタンス変数は、コンストラクタで定義して明示する。

インスタンス生成後にプロパティを定義することもできるが、あるインスタンスで定義したプロパティはそのクラスの他のインスタンスにはいきわたらない。

なお上記のpass文は、空のクラスのための構文。クラスの構文上は何か内容が必要なため、プレースホルダとしてpass文を置いている。passはPythonの予約語で、何も行わない。

インスタンス変数はpublic

Pythonのインスタンス変数は全てpublicアクセス可能。これを隠蔽するのに、以下の方法がある。

  1. クラス変数の先頭にアンダースコアを1つ付ける(_)
    • この方法は「作法」であり、普通に変数名を指定してアクセスが可能
  2. クラス変数の先頭にアンダースコアを2つ付ける(__)
    • この方法はPythonでアクセスが拒否される

ただし(2)の方法でも実はアクセスが可能。アンダースコア2つを前置した変数は、_クラス名__変数名に変換されるため、この変数名を使ってアクセスできる。

メソッド

コンストラクタ

  • コンストラクタの名前は__init__で決まっている
  • 少なくとも先頭に1つの、自己参照用の引数が必要
    • この引数の変数名は任意だが、Pythonの慣習でselfを用いることになっている

インスタンスメソッド

コンストラクタと同じく、インスタンスメソッドは最低1つの引数を持ち、第1引数はインスタンス自身への参照が渡される。

この引数の変数名は任意だが、Pythonの慣習でselfを用いることになっている。

クラスの継承

継承

基本的なクラスの継承方法は以下の手順による。

  1. 子クラスのclass宣言で親クラスを指定
  2. 子クラスのコンストラクタで親クラスのコンストラクタを呼ぶ
  3. 必要に応じて追加のプロパティを定義

オーバーライド

子クラスで親クラスのメソッドをオーバーライドできる。

親クラスのメソッドの呼び出し

子クラスでオーバーライドしたメソッドでも、親クラスの名前を指定して、親のメソッドを呼び出せる。

※super()メソッドを用いるべきか。

 

Python3 – lambda式

概要

ラムダ式(lambda式)は、無名の小さな関数を定義する。

lambda式の用法

lambda式は式として扱われるため、以下のような用い方が可能。

リストの内包表記

 

Python3 – 関数

基本形

  • 関数の定義は”def”で始める
  • 関数名と引数の後にコロン”:”を置く
  • 関数の内容にはインデントを入れて書く

呼び出しと定義

関数の呼び出しは関数定義の後でなければならない。

ただし、関数定義においては、後で定義される関数をそれより前の関数定義で記述することはできる。

戻り値

戻り値がある場合はreturn文で返す。

複数の戻り値

複数の戻り値を返すことができる。

引数

通常の引数

通常の引数に対しては、呼び出し時にその個数分の値を指定する。個数が多すぎても少なすぎてもTypeErrorとなる。

デフォルト値付きの引数

引数を省略した場合のデフォルト値を指定できる(キーワード付き引数)。

可変長の引数(1)

*[引数名]は数を超えた引数をタプルで受け取る。

可変長の引数(2)

**[引数名]はキーワード付き引数を辞書型で受け取る。

可変長引数の引き渡し

可変長の引数を変数で引き渡す場合、引き渡し側の引数に*、**をつける。

 

Python3 – 同値性と同一性

同値性

同値性に関しては、数値、文字列、オブジェクトに関わらず、そのコンテンツのパターンが同じならTrueとなる。

同一性

数値の同一性

一般的な予想

数値に関しては、同値性と同一性が同じ結果になると予想される。

予想外

整数で一定の範囲外の場合は、同一ではない(is not)と評価される。

多重代入の場合は同一と評価されるが、変数に対して演算を施すと同一ではなくなる。

同一性の変化は、演算に対して可逆的。

文字列の同一性

 

Python3 – 変数・式・演算

変数

変数の定義

変数は定義した時点で作成される。型指定や宣言のためのキーワードはなく、変数確保のためには何らかの値で初期化する。

内容の書き換え

変数の内容は、異なる型のもので任意に置き換え可能。

演算子

代数演算子

加減算(+/-)、乗算は一般的だが。除算系は以下に注意。

除算系

整数同士の除算は浮動小数点数となる。Python2から扱いが変更。

//演算子は商が整数となる除算、%演算子は剰余を返す。

// 切り捨て除算
% 剰余

詳しくは整数除算を参照。

べき乗

ビット演算子

~a ビット反転
a & b AND:論理積
a | b OR:論理和
a ^ b XOR:排他的論理和
a << n nビット左シフト
a >> n nビット右シフト

代入演算子

+=、-=、*=など。

インクリメント(++)/デクリメント(–)演算子はない。

比較演算子

同値性

==、!=、<、>、<=、>=は標準的。

同一性・包含

a is b aとbが同一である
a is not b aとbが同一でない
a in b aがbに含まれる
a not in b aがbに含まれない

比較演算子については「同値性と同一性」についても参照。

ブール演算子

a and b aもbもTrueのときTrue、それ以外はFalse
a or b aかbがTrueのときTrue、aもbもFalseのときFalse
not a aの否定

条件演算(3項演算子)

以下の式は、conditionが真であればtを、偽であればfを返す。

文字列演算子

a + b 文字列aと文字列bを連結
a * n 文字列aをn回繰り返す
a[n] n番目の文字を取り出す(0文字目からカウント)
a[n:m] n~m-1番目までの文字列を取り出す
a[n:] n番目以降の文字列を取り出す
a[:m] 先頭からm-1番目までの文字列を取り出す
a[n:m:s] n~m-1番目の文字列をs個飛ばしで取り出す

Python3 – 辞書

リテラル

辞書(dictionary)の要素はキーと値のセットで保持される。辞書の要素はリストのような順序を持たない(さらに言えば、このコードを実行するごとに表示される順番が変わる)。

キーや値の型は混在しても構わない。

キーについて

キーに使える型は、数値、文字列、タプルなど内容を変更できない型。

数値や文字を格納した変数をキーに指定すると、変数の内容がキーになる。

既存のキーに新たな要素を定義しようとすると、[最後に指定したキー]:[値]のペアになる(1つのキーには1つの値しか格納されない)。

リストやリストを含む変数、タプルをキーに使うとTypeErrorとなる。

内容の取得

要素数

辞書が持っている要素の数はlen()関数で得られる。

全てのキー・値・要素

辞書内の全てのキー、値、要素は、それぞれkeys()values()items()で取得。結果はdict_keysdict_valuesdict_itemsオブジェクトで得られ、list()関数でリスト化が可能。

要素の操作

要素の参照、追加

値の参照はキーを指定して行う。存在しないキーを指定して参照するとKeyError。

要素の追加は、新たなキーを指定して値を代入。

既存のキーを指定して、その内容を更新。

要素の削除

del文/del()関数

del文/del()関数はキーを指定して要素を削除する。

pop()メソッド

pop()メソッドは、引数で指定した要素を削除し、そのオブジェクトを返す。第2引数を指定した場合、キーが存在しないときに第2引数を返す。

clear()メソッド

clear()メソッドは辞書をすべてクリアする。

存在確認

キーの存在確認

辞書が指定したキーを持つかどうかをチェックするにはin演算子を使う。直接辞書に適用してもkeys()に適用しても結果は同じ。Python3ではhas_key()メソッドはなくなった。

値の存在確認

辞書が指定した値を持つかどうかは、in演算子にvalues()を適用

辞書オブジェクトの操作

辞書同士の連結

update()メソッドで他の辞書を連結できる。この操作は、元の辞書の内容を更新する。

ただし元の辞書と追加する辞書で重複するキーがあった場合は、追加する方の辞書の要素で上書きされる。

複数の値を持つ辞書

通常は重複したキーに値を登録すると、最後に登録した値で上書きされて1つしか残らないが、値をリストにすることで、同じキーに複数の値をもたせることができる。