WordPressでカテゴリをクリックしても表示されない

WordPressでカテゴリをクリックしても「ページが見つかりませんでした」と表示される現象が生じた。

ネット上で同様の現象が挙げられており、「タグやカテゴリをクリックすると404エラーで表示されない」というものが多かった。それらのうち以下の方法で解決したので記録しておく。

  1. ダッシュボードメニューの「設定」→「パーマリンク設定」
  2. 下部の「カテゴリーベース」が”.”となっていたのを”category”に書き換え
  3. 保存

他にもパーマリンクの設定を保存しなおすだけで直る、というのもあったが、こちらは効かなかった。

 

 

CoffeeScript – 継承・オーバーライド・super()

クラスの継承とコンストラクタ

ポイント

親クラスを継承した子クラスのコンストラクタでは、基本的にsuper()で親クラスのコンストラクタを呼び出す。

たとえば次のように親クラスParentを子クラスChildが継承した場合、子クラスに親クラスのプロパティが引き継がれている。

ところが次のように子クラスでコンストラクタを定義した場合は、親クラスのプロパティが引き継がれない。

これは子クラスのコンストラクタが親クラスのコンストラクタをオーバーライドしてしまったためで、この状態では親クラスのコンストラクタが実行されない。

そこで、子クラスのコンストラクタからsupper()で親クラスのコンストラクタを呼び出すと、親クラスのコンストラクタも実行され、プロパティが引き継がれる。

コンストラクタが引数をとる場合も、super()で親クラスのコンストラクタに合わせた引数を指定すればよい。

メソッドのオーバーライドと継承

例えば次のコードでは、親クラスのmethod()を子クラスのmethod()がオーバーライドしている。

子クラスからオーバーライドした親クラスのメソッドを呼び出したい場合は、super()を使う。

 

CoffeeScript – 抽象クラス

概要

Javaの場合だと、抽象クラスを書く場合には”abstract”宣言をして、具体のクラスで実装すべきメソッドの宣言だけを行うが、CoffeeScript/Javascriptの場合はこれと異なる。

準備

まず、同じ名前executionのメソッドを持つ2つのクラスConcrete1Concrete2を考える。メソッド名は同じだが、各クラスで処理内容は異なる。

次にexecution()について共通な2つのクラスを抽象化したAbstractクラスを導入する。

抽象クラスの導入

CoffeeScript/Javascriptではabstractキーワードがなく、abstractなメソッドも中身が空のもので定義。ただし抽象クラスのままでインスタンス化したときの注意喚起のメッセージを実装。

Javaなどでは型指定が厳格なので、異なる2つのクラスをAbstractクラスで抽象化して、同じメソッドを呼び出すことでクラスごとに特有の処理をさせる。

CoffeeScript/Javascriptでは変数の型がないため、抽象化をしなくてもメソッド名を同じにしておくだけで同じ効果を得る。ただしコンパイル時のチェックなどがない点に注意。

共通部分がある場合

以下のように、2つのクラスで共通の処理と個別の処理が混在している場合を考える。

共通の処理を各クラスごとに実装しているが、コピー/ペースト操作で行うとしてもエラーが入り込みやすく、その後の保守性も悪い。

共通部分の集約(1)

エラー回避と保守性の向上のため、共通部分を一つにまとめる。

  • 抽象クラスAbstractを導入
  • Abstractexecution()メソッドのフレームを集約
  • 共通処理部分commonExecution()Abstractのメソッドとして実装
  • 2つのクラスでAbstractを継承
  • これらの子クラスで、それぞれの個別処理部分のみを実装

Concrete1Concrete2Abstractを継承したことによって2つの具象クラスがAbstractクラスのexecute()メソッドも継承され、具象クラスでexecute()メソッドを呼ぶと、Abstractexecute()メソッドが実行される。

その後、共通部分のcommonExecution()Abstractのメソッドが呼ばれ、specificExecution()については、各具象クラスでオーバーライドされたメソッドが呼ばれる。

共通部分の集約(2)

各具象クラスでexecution()のから書いていくこともできるが、この場合は共通処理が一括してsuper()で実行されるため、「共通の前処理と後処理の間に各クラス独自の処理を置きたい」という場合には適さない。

 

 

Boids Mobile






 



Lifegame Mobile (CoffeeScript)



    


    



Boids – 群の行動

動物の群の行動をシミュレートする”Boids”という考え方をCoffeeScriptで組んでみたもの。個体がそれぞれ独立して一定のルールに従って行動する結果、群としての整然とした行動をとるようになる。

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Boidsの考え方や開発過程はこちら

このアプリケーションのコード説明はこちら


Boids 2.3 – コード説明

概要

Boids 2.3では、分離(Separation)、結合(Cohesion)に加えて「整列(Alignment)」のルールを導入する。整列行動の考え方は、ここでは以下の通りとした。

  1. 前方視野内に個体が存在する場合、それらの個体の平均速度を求める
  2. 進行方向を、群の平均速度の方へ向けて少し変更する

なおこのバージョンで、個体生成時にランダムに与える速度の計算方法を変更した。

速度計算の変更

これまで、個体を生成したときに与える速さは、上限値V_MAXを定数としておいて、V_MAX~VMAX/2の範囲で一様乱数を発生させていた。

Boids 2.3では、速さの上限値vMAXに加えて下限値vMINCreatureクラスのクラス変数に持たせて、この間の一様乱数で速さを設定する。

これに伴って、以下を追加

  • HTMLの<script>要素に定数V_MINを追加
  • ControlerクラスにvMinのセッターを追加
  • セッターを通してV_MINの値をCreature._vMinにセット

整列のアルゴリズム

平均速度の算出

次図において、先方視野内に個体が存在する場合、それらの平均速度vmeanを計算する。

    $$ {\bf v}_{\rm mean} = \frac{1}{n} \sum^n_{i=1} {\bf v}_i $$

なお視野内の判定は、ベクトルの前後判定と個体との距離計算によっている。

boid2x_alignment_vmean

進路変更

先の図のように、自身の進行方向に対する平均速度の方向によって、以下の手順で進路を変更する。

  1. 平均速度ベクトルの向きが自身の進行方向より左右どちらに向いているかを判定
  2. 平均速度ベクトルが進行方向より右に向いているなら右へ、左に向いているなら左へ方向を少し変化させる。

これらの考え方はBoids 2.1の分離行動における回避動作と同じ。

コード内容

初期パラメータ定義

HTMLで定義する初期パラメータに、整列に関する以下の変数を追加する。

  • 整列判定の視野の深さ(BD23_ALIGNMENT_FIELD_DEPTH)
  • 整列行動における速度の変更角(BD23_ALIGNMENT_ANGLE)

なお、このバージョンで分離行動の視野の深さの変数名を変更している。

クラス変数

初期パラメータの保存のため、Creatureクラスのクラス変数を追加する。

パラメータのセッター

Controlerクラスに、Creatureクラス変数へのセッターを定義する。

パラメータのセット

HTMLで定義されたパラメータをControlerオブジェクトのセッターによってセットする。

Ceatureクラスの変更 – alignment()メソッドの追加

Creatureクラスのmove()メソッドがalignment()メソッドを呼び出すようにする。

alignment()メソッドを新たに定義する。

  • 速度の方向を変化させる回転行列のcos、sinに対応したローカル変数cssnを定義している
  • 平均速度の参照がvMeanプロパティに保存されるが、視野内に個体が存在しないときはnullとなる
  • 速度の回転方向は、右がマイナス方向、左がプラス方向となることに注意

全コード

以下に、分離、結合、整列の3ルールすべてを適用したBoids 2.3の全コードを示す。


↑ Boids 2.2のコード説明へ

↑ Boids 3.0のコード説明へ

Boids 2.2 – コード説明

概要

Boids 2.2では、分離(Separation)に加えて「結合(Cohesion)」のルールを導入する。結合行動の考え方は、ここでは以下の通りとした。

  1. 前方視角内に個体が存在する場合、それらの重心位置を求める
  2. 進行方向を、重心の方へ向けて少し変更する

結合のアルゴリズム

重心の算出

次図において、進行方向に直角な直線hより前方側の個体が存在する場合、それらの重心位置gを計算する。

    $$ {\bf g} = \frac{1}{n} \sum^n_{i=1} {\bf p}_i $$

なお、視野角の前方判定はベクトルの前後判定によって行っている。

boid2x_cohesion_gravity_center

進路変更

先の図のように、自身の進行方向に対する群の重心の位置によって、以下の手順で進路を変更する。

  1. 重心位置が自身の進行方向に対して左右どちら側にあるかを判定
  2. 重心位置がが進行方向より右側にあるなら右へ、左側にあるなら左へ方向を少し変化させる。

これらの考え方はBoids 2.1の分離行動における回避動作と同じ。

コード内容

初期パラメータ定義

HTMLで定義する初期パラメータに、結合に関する以下の変数を追加する。

  • 結合の進行方向の変化(BD22_COHESION_ANGLE)

クラス変数

初期パラメータの保存のため、Creatureクラスのクラス変数を追加する。

パラメータのセッター

Controlerクラスに、Creatureクラス変数へのセッターを定義する。

パラメータのセット

HTMLで定義されたパラメータをControlerオブジェクトのセッターによってセットする。

Ceatureクラスの変更 – cohesion()メソッドの追加

Creatureクラスのmove()メソッドがcohesion()メソッドを呼び出すようにする。

coheion()メソッドを新たに定義する。

  • 速度の方向を変化させる回転行列のcos、sinに対応したローカル変数cssnを定義している
  • 重心位置への参照がclusterCenterプロパティに保存されるが、視野内に個体が存在しないときはnullとなる
  • 速度の回転方向は、右がマイナス方向、左がプラス方向となることに注意


↑ Boids 2.1のコード説明へ

↓ Boids 2.3のコード説明へ

Boids 2.1 – コード説明

概要

Boids 2.1では、いよいよBoidsのルールの一つ「分離(Separation)」を導入する。分離行動の考え方は、ここでは以下の通りとした。

  1. 視野内に個体が存在するとき、最も距離が近い個体を選択する
  2. その直近個体と反対方向に、自身の進行方向を変化させる

分離のアルゴリズム

視野

個体は自身の進行方向の左右90度以内、180度の視野角を持ち、その視野角内で一定距離以内の個体に反応するものとする。

視野内外の判定の概念は下図の通りで、個体Pは視野内と判定され、個体Qは視野外として無視される。

boids2x_perspective

視野内外判定の手順は以下の通り。

  1. 前後判定の方法により、視野角内の個体があればそれを選定
  2. その個体について\overline{\rm SP}} \leqq lならば次へ進む
  3. その個体が最も近いなら入れ替え

回避動作

回避対象が自身の進路の右にいるなら左に、進路の左にいるなら右に、方向ベクトルの角度を変更する。進路変更の角度は予め設定しておく。

boids2x_separation_avoidance

回避動作の手順は以下の通り。

  1. 左右判定の方法により、回避対象が進行方向の左右どちらにあるかを判定
  2. 回避対象が進行方向の左にあるなら右へ、右にあるなら左へ方向を少し変化させる。

ここで方向ベクトルの変化量θは予め設定しておき、これに対応するcos、sinによる回転行列を適用して方向を変える。cos、sinの値は、できるだけ計算量が少なくなるようにする。

コード内容

初期パラメータ定義

HTMLで定義する初期パラメータに、分離に関する以下の変数を追加する。

  • 分離に関する視野の深さ(BD21_VIEW_FIELD_LENGTH)
  • 回避行動の進行方向の変化(BD21_SEPARATION_ANGLE)

クラス変数

初期パラメータの保存のため、Creatureクラスのクラス変数を追加する。

パラメータのセッター

Controlerクラスに、Creatureクラス変数へのセッターを定義する。

パラメータのセット

HTMLで定義されたパラメータをControlerオブジェクトのセッターによってセットする。

Ceatureクラスの変更 – separation()メソッドの追加

Creatureクラスのmove()メソッドがseparation()メソッドを呼び出すようにする。

separation()メソッドを新たに定義する。

  • 速度の方向を変化させる回転行列のcos、sinに対応したローカル変数cssnを定義している
  • 最も近い個体への参照がnearestCreatureプロパティに保存されるが、視野内に個体が存在しないときはnullとなる
  • 速度の回転方向は、右がマイナス方向、左がプラス方向となることに注意

 


↑ Boids 2.0のコード説明へ

↓ Boids 2.2のコード説明へ

 

Boids 2.0 – コード説明

概要

Boids 2.0は以後のBoids 2.xシリーズの土台となるもので、Boids 1.2に対して以下を変更している。

  • 位置と速度を持ったCreatureクラスのうち、位置と速度の保持、互いの位置関係の判定に関する性質を汎用のMovingAgentクラスとしてまとめ、taustation-geo2dパッケージに含めた
  • 初期パラメータをHTMLのスクリプトに置き、再コンパイルしなくてもパラメータを変更しやすくなるようにした。

MovingAgentクラスの導入

CreatureクラスはMovingAgentクラスを継承し、それらのメソッドを利用する。

 MovingAgentのプロパティを継承するため、位置と速度の指定が変更。たとえばCreatureクラスのインスタンスがcreatureだとすると、以下のようになる。

  • 位置のx座標は、creature:pos.x
  • 位置のy座標は、creature:pos.y
  • 速度のx成分は、creature:v.x
  • 速度のy成分は、creature:v.y

HTMLでの初期パラメータ設定

概要

各種パラメータの設定を、CoffeeScriptの再コンパイルやアップロードをしなくても、HTMLで設定・変更できるようにした。

  • 必要なパラメータをHTMLのスクリプトで定義
  •  以下のパラメータをセットするセッターを、全てControlerクラスのメソッドとして集約
    • 個体に関するパラメータはCreatureのクラス変数
    • アニメーションのインターバルはControlerクラスのプロパティ
  • スクリプト読み込み時に、Controlerオブジェクトのセッターにグローバル・パラメータ変数を渡してパラメータ設定

初期パラメータ定義

HTMLにパラメータをグローバル変数としてスクリプト記述。

注意点は、スクリプトはJavascriptにコンパイルされているので、直接読み込まれるグローバル変数もJavascriptの変数として書くこと。特に各定義の文末にセミコロン(;)を付けること。

クラス変数

上記のパラメータのうち、個体の運動に関わるものを、Creatureクラスのクラス変数として定義。

なお、アニメーションのフレーム・インターバル(interval_sec)は、Controlerクラスのクラス変数として定義している。

パラメータのセッター

上記のクラス変数にパラメータをセットするセッターを、Controlerクラスのメソッドとして集約。

パラメーターのセット

スクリプト実行時に、上記セッターを通してグローバル変数のパラメータを設定する。

Boids 2.0の全コード


↓ Boids 2.1のコード説明へ