概要
放物線が、その対称軸に平行な線に対して焦点を持つことを確認する。イメージ図は以下の通り。
証明
下図を考える。
放物線Cを以下の式で定義する。
(1)
任意の点(X, Y)における接線l1の式は以下の様になる。
(2)
ここで、y1‘は、図中の角θを用いて以下のように表せる。
(3)
また、この点を通ってl1に垂直な直線l2の式は、この点におけるl2の微分係数をy2‘として以下のように表せる。
(4)
ここでy2‘は、図中の角θを用いて以下のように導かれる。
(5)
この式でθがπ/2よりも大きい場合でも、式形は変わらない。
ここで式(3)を考慮して、l2の式は以下のように変形される。
(6)
l2がy軸と交わる点のy座標値を求める。
(7)
この値はXに寄らず一定なことから、y軸に平行な線が放物線で反射された線は、y軸上の1点を通る。
なお、入射線と反射線が直角になるときの入射線のx座標値は以下の通り。
(8)
斜め入射について
たとえば先の図で、入射角が右側に傾いた場合を考える。
y軸の右側(xが正の側)からの入射線の放物線に対する角度は、y軸に平行な場合に対してより浅くなることから、反射方向はより下側に傾く。したがって、反射線とy軸の交点は下側に移動する。
一方y軸の左側(xが負の側)からの入射線の放物線に対する角度は、y軸に平行な場合に対してより深くなることから、反射方向はより上側に傾く。したがって、反射線とy軸の交点は上側に移動する。
少なくともy軸の両側で反射線のy軸との交点が一致しないことから、焦点は存在しない。より正確には、入射線のy軸に対する傾きをαなどと置いて上記のような計算をするとよい。