古事記~国生み~禊の神々
黄泉比良坂から地上に戻った伊邪那岐大神は、筑紫国の日向(ひむか)の橘にある小さな水門(みなと)の阿波岐原(あわぎはら)へ来て禊をする。その禊の際に、様々な神が生まれる。その最後に、天照大御神、月読命、須佐之男命が生まれる。
身につけたものを外した時に生まれた12の神々
- 杖→衝立船戸神(つきたつふなどのかみ)
- 悪霊を払う神
- 帯→道之長乳歯神(みちのながちはのかみ)
- 長い道中の安全を祈る御幣の神
- 袋→時量師神(ときはかしのかみ)
- 時をはかる神
- 上着→和豆良比能宇斯神(わずらひのうしのかみ)
- 病から守るための神
- 袴→道俣神(ちまたのかみ)
- 道案内の神
- 冠→飽咋宇斯神
- 食料を心配する神
- 左手の腕輪→沖の船戸の神々
- 奥疎神(おきさかるのかみ)
- 沖の航海のための神
- 奥津那芸佐毗古神(おきつなぎさびこのかみ)
- 沖の波を静める神
- 奥津甲斐弁羅神(おきつかいべらのかみ)
- 沖の魚を捕るための神
- 奥疎神(おきさかるのかみ)
- 右の腕輪→沿岸の船戸の神々
- 辺疎神(へきさかるのかみ)
- 沿岸を航海するための神
- 辺津那芸佐毗古神(へつなぎさびこのかみ)
- 沿岸の波を静める神
- 辺津甲斐弁羅神(へつかいべらのかみ)
- 沿岸の魚を獲るための神
- 辺疎神(へきさかるのかみ)
災いの神々と穢れを祓う神々
次に伊邪那岐が「橘の水門の水面は流れが速い、水底は流れが遅い」と言って、水面と水底の中間で体を洗ったとき、まず黄泉の汚物から二柱の神が現れる。
- 八十禍津日神(やそまがつひのかみ)
- 多くの災いの神
- 大禍津日神(おおまがつひのかみ)
- 力の強い災いの神
次にその災いを直す三柱の神が現れる。
- 神直毗神(かむなおびのかみ)
- 神の穢れを祓う神
- 大直毗神(おおなおびのかみ)
- 大きな力をふるう穢れを祓う神
- 伊豆能売神(いずのめのかみ)
- 神に仕える斎女
綿津見神と底筒男神
海底で禊をしたときに現れた神々。
- 底津綿津見神(そこつわたつみのかみ)
- 底筒之男命(そこつつのおのみこと)
海中で禊をしたときに現れた神々。
- 中津綿津見神(なかつわたつみのかみ)
- 中筒之男命(なかつつのおのみこと)
海面で禊をしたときに現れた神々。
- 上津綿津見神(うわつわたうみのかみ)
- 上筒之男命(うわつつのおのみこと)
これらのうち三柱の綿津見神は、阿曇之連(あずみのむらじ)たちが祖先として祭っている神。阿曇之連は綿津見神の子、宇都志日金拆命(うつしひかねさくのみこと)の子孫。
底筒之男命、中筒之男命、上筒之男の三柱の神は住吉大社に祭られている。
天照大神、月読命、須佐之男命
さらに伊邪那岐が目と鼻を洗ったとき、天照大御神、月読命、須佐之男命が生まれる。