ポアソン過程について

概要

次のような条件で、客の到着、トランザクションやトラブルの発生といったランダム事象の発生を考える。

  • 各事象は、その前の事象の発生から影響を受けたり、その次の事象に影響を与えたりしない(無記憶性)
  • 各事象が単位時間あたりに発生する数には偏りがない(均質性)

この場合、事象の発生は時間軸上で一様分布と考えられ、定常ポアソン過程/ポアソン到着と呼ばれる。

ポアソン過程の到着数

単位時間当たりの到着数が\lambdaで与えられたとき、観測時間tの間にk回の到着が観測される確率は、以下のPoisson分布で与えられる。

(1)    \begin{equation*} P_n (X = k; t; \lambda) = \frac{(\lambda t)^k}{k!} e^{- \lambda t} \end{equation*}

この導出は”ポアソン過程の到着数~ポアソン分布“に示すが、その概略は、観測時間tを有限・等間隔の微小時間間隔\Delta tに分け、到着数がk回となる組み合わせの数を考慮しながら確率を計算し、\Delta t \to \inftyの極限をとるという操作。

このとき、到着回数の平均と分散は以下のようになるが、その導出はPoisson分布の説明を参照。

(2)    \begin{equation*} E(k) = \lambda = {\rm const} \end{equation*}

(3)    \begin{equation*} V(k) = \lambda = {\rm const} \end{equation*}

ポアソン過程の到着時間間隔

単位時間当たりの到着数が\lambdaで与えられたとき、ある到着から次の到着までの時間間隔tは指数分布に従い、その確率密度f(t)と確率分布F(t \le T)は以下のように与えられる。

(4)    \begin{equation*} f(t) = \lambda e^{- \lambda t} \end{equation*}

(5)    \begin{equation*} F(t \le T) = 1 - e^{- \lambda T} \end{equation*}

この導出は”ポアソン過程の到着間隔~指数分布“に示すが、その概略は上のPoisson分布と同じく、観測時間tを微小時間間隔に分けて、その極限をとるという操作。

このとき、到着時間間隔の平均と分散は以下のようになるが、その導出は指数分布の説明を参照。

(6)    \begin{equation*} E(k) = \frac{1}{\lambda} \end{equation*}

(7)    \begin{equation*} V(k) = \frac{1}{\lambda ^2} \end{equation*}

このほか、それぞれの確率分布の形状や考察についても、Poisson分布の説明指数分布の説明にまとめた。

ポアソン過程のシミュレーションと確認

一様分布による到着のシミュレーション

ポアソン過程~一様分布によるシミュレーション“で、一様分布に従う乱数を発生させて、その到着時間間隔/到着回数が指数分布/Poisson分布に従っているか確認した。

 

 

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