標準正規分布の使い方
平均、分散の正規分布の確率密度関数は以下の通り。
(1)
この場合、となる確率は以下のように表される。
(2)
ここで、確率変数を以下のように変換する。
(3)
これを式(2)に適用し、に留意して、
(4)
標準正規分布の確率に対する確率変数の値を覚えていれば、母集団の平均と標準偏差が与えられたとき、上記の変数変換を行って、確率値を得ることができる。
例題
厚生労働省による「平成29年国民健康・栄養調査報告」によると、26歳~29歳の日本人男性の身長は、平均が171.0cm、標準偏差が5.8cmとなっている。この年代層で身長が180cmを超える確率は、
(5)
このuの典型的な値と確率のセットを覚えておけば、確率を知ることができる。この場合は1.5より少し大きいので、超過確率は6%程度とわかる(より正確には6.04%)。
が0.5なら3割程度、1なら16%、1.5で6.7%になる。
逆に超過確率25%なら=0.67、10%なら1.28、5%(両側90%以内)で1.64、2.5%(両側95%以内)なら1.96。
標準正規分布の確率
典型的な値
標準正規分布のに対する確率のに対する確率は標準正規分布表で与えられているが、以下の値は覚えておくとよい。
z | ||
0.5 | 0.31 | 0.38 |
0.67449 (0.67) | 0.25 | 0.5 |
0.84162 | 0.2 | 0.6 |
1 | 0.16 | 0.68 |
1.03643 | 0.15 | 0.7 |
1.15035 | 0.125 | 0.75 |
1.28155 (1.28) | 0.1 | 0.8 |
1.5 | 0.067 | 0.87 |
1.64485 (1.64) | 0.05 | 0.9 |
1.95996 (1.96) | 0.025 | 0.95 |
2 | 0.023 | 0.95 |
2.32635 (2.32) | 0.01 | 0.98 |
2.57584 (2.58) | 0.005 | 0.99 |