直線のパラメータ表示
たとえば2次元の直線のパラメータ表示は、以下のように一つのパラメータtに対してxとyが計算される方法。
直線の決定
通過点と方向が与えられた場合
直線が通過すべき点(px, py)と、直線の方向(vx, vy)が与えられた場合のパラメータ表示を決定する。
通過点でパラメータがt = 0とすればpxとpyが定まり、tが1単位増えた時のxとyの増分が直線の方向に対応することから、以下のように表される。
なおこれらを、パラメータtに対応した直線状の点の位置ベクトル、通過点の位置ベクトル、方向ベクトルで表示すると下記のようになる。
2つの通過点が与えられた場合
2つの点p(px, py)とq(qx, qy)が与えられた場合の直線のパラメータ表示を決定する。
点pでt = 0、点qでt = 1とすれば、以下の式が得られる。
これをベクトル表示すれば以下の通り。
直線の式との関係
一般に直線の式は以下で与えられる。
一方で媒介変数された直線の式からパラメーターを消去すると以下のようになる。
これを変形すると、先の直線の式との対応関係がわかる。
交点の特定
以下の2つの直線の交点を求める。
これを要素表示に展開する。
ここでx1 = x2、y1 = y2と置いて、t1、t2を未知数とした以下の方程式を得る。
この方程式を行列で表示すると以下の通り。
これを解いて以下を得る。
これらの式は分母がゼロのときは解をもたないが、これはとを90度回転させたベクトルが直角であること、すなわち2つの直線の方向が平行であることを示している。
さらに2つの直線がまったく一致するときは、分母・分子ともゼロとなり、解は不定となる。
ここで、交点の座標を確認する。
当然この結果は、パラメータ表示の2直線からパラメータt1、t2を消去して陰関数表示をした以下の方程式の解と一致する。
交点の位置
パラメータ表示の場合、基準点においてt = 0とし、方向ベクトルの先、あるいはそれに相当する2つ目の点においてt = 1などとすれば、基準点から方向ベクトルの先のtは正の値、逆方向ではtが負の値になる。
これを利用して、二つの直線の交点が基準点より前方/後方どちらの側にあるか、あるいは半直線に交点が存在するか、といった判定が容易に可能となる。